時効とは、一定の事実状態が一定期間継続し、取得時効(権利を取得すること)や消滅時効(権利を失うこと)を認めることである。
一定の事実状態が続くとその状態を基に新たな法律状態が作られる。これを覆すことは、その事実状態に対する信頼を壊し、社会のルールなど乱す恐れがある。
このような理由により、時効制度が定められている。
時効は、期間の経過により効果が発生するが、その効果の確定は時効の利益を受ける者が時効の援用(時効完成を主張すること)をしたときである。
時効の利益を受けるものは、時効を援用することもできるし、しなくてもよい。また、完成後に時効の利益を放棄することもできる。
時効の効力は、時効完成後、起算日に遡る。
取得時効の場合、占有を開始したとき、消滅時効の場合、権利行使が可能となったときである。